
バブルの頃、銀行がジャブジャブお金を貸しまくっていたのは周知の事実です。担保価値のないような不動産、僻地であったり崖っぷちの土地であったりしても、ジャブジャブ融資をしていました。
いまでも、内容のいい会社に対してはジャブジャブです。平成15年3月に日経平均が底打ちして、そこからまた右肩上がりのプチバブル。そのときメガバンクは「ビジネスローン」という商品を作って、またもやジャブジャブ貸し込みました。
ジャブジャブ貸してもらえるから、経営もおかしくなってしまいます。
コロナ融資も似たようなものです。業績は回復していないのに手元に現金があるため、変に安心してしまっている・・・何も問題は解決していないのに・・・です。
今後、銀行は融資の蛇口を締めるのか?それとも緩めるのか?その判断は?タイミングは?今回はこの融資の締め時、緩め時についてお伝えしていこうと思います。
目次
R4年以降、融資の蛇口は緩むのか?
日銀がお金を刷って刷って刷りまくるとそのお金が銀行に下りてきます。
でも国が「万が一不良債権になっても、国が肩代わりしてあげるから、企業にお金を貸しなさい」という号令を出さない限り、内容問わずジャブジャブということは、もうありません。そこまでゲキが飛ばない限り、銀行は怖くて蛇口をひねれないのです。
そんな国のゲキは今年の9月で終了です。そう、コロナ融資の受付はR4年9月で終了予定なのです。リスケを行っているような本来融資を受けることのできない企業でさえ融資を受けれたのがコロナ融資です。
今後おそらく、3.11の震災やコロナのような災害・疫害が発生しない限りあのような融資が出てくることはないでしょう。それくらい今は中小企業は融資でおなかいっぱいの状態になっています。
また、保証協会もいくら保証の一般枠が開いているからと言って安易に保証を行うといったことをしていません。非常にシビアに「返済可能性」を判断するような傾向が見て取れます。
すなわち今後の融資についてはしばらく蛇口が閉まる状態になるということです。
貸したくても貸す先がない!というのが銀行員の本音?
銀行員も、いまは微妙に思っているはずです。
銀行にお金はたくさんある。でも貸せない。一体、どこに貸すの?と思っていることでしょう。ちょっとでもいいところに「借りてください、借りてください」って拝み倒すしかありません。
二極分化がさらにくっきりしてきています。ダメなところは見なかったことにして、いいところには目をキラキラさせて、「借りてくれ、借りてくれ」と。
支店長も当然出てきます。期末依頼といって、支店長自らが「借りてくれ」って訪問します。
社長からしてみたら、嬉しいものなのかもしれません。支店長が年間に3回くらい来たら、だいたいの社長は膝が折れます。酒飲み話も出来上がりです。
「支店長が金借りろってうるさくて。うちの会社景気良くないんだけどね」って。
そして必要のないお金を借りてしまうわけです。
保証協会の枠も残っている、条件変更もしていない、ギリギリまわっている会社が、銀行からしてみたら一番うまみのある獲物です。
貸せるだけ貸して、ちょっとでも売上が下がったりしたら「1年様子を見ましょう。売上が戻ってちゃんと返済できたら、1年後にまた貸してあげますよ」なんて。
国からゲキが飛べば、こういう会社にも貸せるという話です。
コロナ融資の資金使途違反も要注意!
コロナ融資に関してはとりあえず借りておこうという企業も多かったことでしょう。しかしこのような企業でみられるのが、本来運転資金で使用する目的で借りていたはずのコロナ融資を「投資」に廻してしまったというケースです。
資金使途違反は融資の中で重罪に位置します。保証協会にこれがばれると今後の保証に支障をきたす恐れがあることは留意すべきです。もし本来の目的と違う使い方をしている場合は早急に手元に戻すことを考えてください。
外部環境と関係なく、融資の蛇口を締められることになることでしょう。