粉飾はこのようにしてバレる

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決算書は融資の可否につながる重要な書類。このことは社長でなくとも当然のように世間にも知れ渡っています。

だからこそ、決算書の内容をよく見せるためにあれこれと工夫を凝らす方も一部存在しますし、一部報道であったように大企業ですら行っていたのも事実です。

この粉飾、どのようにして疑いをもたれ、そしてバレていくのか?お伝えしていきます。

(1)現金・預金

預金は担保定期がある場合は、融資金と相殺します。現金商売の場合でも日商3日以上の現金残高がある場合は、粉飾の懸念性があるとイメージしています。

100万円以上ある場合は、粉飾していると判断するケースが多いです。年商10億円の会社であっても飲食店以外は、100万円は持っていないでしょう。10~20店舗ある多店舗展開の飲食店であれば、300万円あっていてもセーフではないでしょうか。1店舗当たり20~30万円、両替金や売上の一部が残っていれば当然計上されるため、その金額となります。

また、コンビニエンスストアであれば、24時間365日開店しているため、複数店経営しているのであれば、300万円程度はあるでしょうか。

現金が2,000万円、3,000万円というのは論外です。以前と異なり、売上を夜間金庫に入れたり、警備会社などに依頼して現金を集金してもらうような方法があり、現金を直に持っているケースは少ないのではないでしょうか。現金をそのまま金庫に入れておくという時代ではありません。

そして、粉飾をする場合、最終的には現金を粉飾するということを銀行員は知っています。知っていても口には出さないだけです。

また、預金では担保定期があるかも注視します。前述のように、短期借入金から相殺して計算します。現金商売であっても日商と営業日が何日あるか会社に確認を取った上で、あまりにも金額が多いと疑い、その部分を引き直します。

(2)売掛金

全業種のイメージでは受取手形と合計して3カ月以上あるのかどうかを勘定科目明細で確認しますが、基本的に各業種の売掛債権回転期間の平均値を参考にしています。その他の金額が多い場合、意図的に不良債権を隠していると思われる可能が高くなるので、売掛金の勘定科目明細は極力詳細に残すようにしてください。業種によっては、1カ月以内でも粉飾認定をされるケースがあります(現金商売の業種は要注意)。

売上債権回収において手形を受け取っても3カ月を越えてしまったらアウトということであり、さらに言えば2.5カ月以上で危ないと考えてください。3期分を比較し、A社、B社、C社……と羅列していき、会社名が付かない「その他」の割合がほとんどない決算書がベストです。

受取手形の受取先が何十社、何百社もあり、付属明細を付けていたら大変なので「その他」で処理するというのは確かに理解できます。売掛金に占める割合の7割方会社名を明記しているのであれば銀行は疑いません。

しかし、4、5割程度しか明記しておらず、大きな割合を占めるメイン先がなく、「その他」に「○先で合計○円」とのみ明記されていたら、その中で粉飾されている金額が多いのではないかと疑い始め、銀行員は細かいことを質問してきます。従って、金額に占める7割程度は勘定科目明細で出した方が、いらぬ疑いをかけられなくて済みます。

業種によっては1カ月以内でも粉飾認定されることもあるようです。現金商売であれば、クレジットカードの販売以外はありません。飲食店の場合も、売掛金、すなわち“ツケ”が効く場合が想定されますが、ツケが効くような業種はそもそも少々危ない会社であると認識されています。

従って、例えばキャバレーやスナックには銀行は融資をしません。飲食業の許可を受けている一般的な居酒屋、割烹等であれば融資します。そうしたお店がこのご時世で、ツケをどこまで許しているでしょうか。恐らく、1カ月を超える売掛金は一般的には考えにくいでしょう。

(3)受取手形

 不渡り手形があるのかどうか、その取引先の業績はどうか、今後、不渡り懸念がある取引先があるかどうかで判断しています。

これらは別表4、5を見れば分かります。当年度内で発生したものを処理しておけば節税になりますが、次年度以降に処理しても意味がないため、2、3年経過した不渡り手形を帳簿に載せていると、税理士の技量を疑われる場合があります。不渡りになっているのになぜ不良債権の処理をしなのか、ということです。

銀行員もこのことを知っているため、この部分を注視し、引き直す場合があります。さらに詳細に詰める場合には、今後、手形の不渡り懸念があるかどうかを考慮します。

例えば、信用調査会社の点数が45点以下の会社の手形は、すべて純資産からマイナスしていました。これを行っていない銀行のほうが多いかもしれませんが、一応お客さまへ留意していただくようお願いできればと思います。与信管理として、お客さまの売掛金をすべて何点かを調べてみることも一つのお手伝いかと思います。

(4)商品(製品)

 全業種のイメージでは、2カ月以上の在庫があるかどうか基本的には各業種の棚卸債権回転期間を見ています。仮に2カ月以上の在庫がある場合、事情を説明するとともに現場を銀行員に見せるように伝えてください。銀行員が架空在庫と判断している場合、現場で在庫の確認依頼をしてくる可能性があるため、帳簿上の在庫の調整はご法度です。

しかしながら、この分量に関しては業種によってまったく異なります。建設業や製造業で在庫が2カ月以上あったら、不良在庫や架空在庫と考えられてもしょうがありません。一般的には1.5カ月程度であり、2カ月以上あることが許されるのは商社くらいでしょう。

決算時期に、たまたま安く仕入れられるから多く仕入れ、決算をまたいだ時に2カ月分残っていた、というのであれば、銀行員に現場を見せれば良いでしょう。

逆に、銀行側から現場を見せてほしいと言われることもあります。少々脅し的な意味合いで、言うだけかもしれません。しかし、そこで答えに窮すると、在庫がないのではないかと疑い、2カ月を超える部分はすべてマイナス評価します。従って。原則的な許容範囲は2カ月以内です。

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