
経営者であるあなたは銀行からプロパー融資を引き出せていますか?
ちなみにプロパー融資とは銀行独自で取り組む融資です。プロパー融資を引き出せるかどうか、ここが中小企業の資金繰りを左右する生命線と言っても過言ではありません。その理由は保証協会付き融資だけではすぐに融資の上限に到達し、資金調達に行き詰まるからです。
しかしながら現状、コロナ禍においてこのプロパー融資がなかなか出ない状況に陥っています。また、そもそもプロパー融資はどんな企業でも受けることができるわけではありません。
そこで今回はどうすればプロパー融資を引き出せるようになるのか?ここについて解説していくこととします。
目次
プロパー融資を引き出せる企業の目安とは
目安となるのが、年商3億円以上・業歴3年以上です。
最初は銀行も様子を見る上で保証協会付融資がメインとなります。
その後融資と返済を繰り返し(循環取引)行っていくうちに、年商規模や業歴、自己資本比率(目安30%超)が大きくなるにつれ、保証協会付融資よりもプロパー融資が増えていくようになるのが通常です。
なぜプロパー融資が大切であるかというと、保証協会付融資は通常、運転資金の場合は月商の3ヶ月分しか融資を受けることができないからです。
今回のコロナ禍においては別途保証の枠を設け、審査のハードルも下げた形で取り組んでいました。
更にコロナ融資には返済が据え置きされており、直ちに返済を必要としませんが、コロナ前に借りていた融資についてはコロナ禍においても返済を行っていたはずです。
その返済には、コロナ融資を充てていた企業がほとんどのはずです。そうなるとコロナ融資の残金も少なくなっていることでしょう。
プロパー融資の折り返しが受けれない企業が続出!
ここで企業としては返済して返済が進んだプロパー融資の折り返し融資を期待するところですが、この折り返し融資自体が出ないという事態が多く発生しているのです。
その背景には、コロナ融資がプロパー融資の折り返し融資相当額を先出し補填するような形で融資が行われていたという実態があります。
そのため、金融機関としては業績が回復して今後も返済が見込める企業についてはプロパー融資を取り組むことが考えられますが、そうでない企業についてはプロパー融資の新規融資はおろか、折り返し融資についても難しい状況となっているのです。
中小企業の資金繰りの実態は、コロナ以前から【返済原資<借入返済】といったように返済原資よりも返済が上回っていました。この状態で資金繰りが回っていた背景は折り返し融資を受けることが出来ていたからなのです。
しかしコロナ禍の影響で売上と利益は減少し返済原資は減少する企業が増えました。さらに借入についてはコロナ融資がコロナ以前の借入に上乗せされ、返済負担が大きくなっている企業がほとんどです。
つまりコロナ禍において返済原資は大きく減少した一方、返済負担は大きく増大しているのです。コロナ融資の返済が始まれば折り返し融資を受けることが出来ない企業の資金繰りは大きくひっ迫することでしょう。
保証協会付融資は保証の枠に上限がある以上、融資に限度があります
確かに今回のコロナ融資は特別枠として一般の保障とは別枠で融資の保証を行いました。しかし仮に一般の保証枠が空いているとしても、必ず融資が受けられるとは限りません。
その理由は保証協会も「返済可能性」を見るからです。
このような時にプロパー融資を受けることが出来るのと出来ないとでは、資金繰りに大きな差が出るのは明白でしょう。
では、このような状態でいかにしてプロパー融資を勝ち取ることができるのでしょうか。
その目安としては『売上:3億円超』『粗利:1億円超』『営業利益:1,200万超』『経常利益:1,000万円超』これらがひとつのハードルとなっています。
特に粗利が1億円超、経常利益が1,000万円超、この2つはとても需要なので必ず押さえておくようにしてください。ちなみに中小企業の場合、「率」よりも「額」が重要です。より詳しい内容については次回以降、解説していくこととします。