銀行の格付とは、融資の可否を決める手段なのか!?

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「銀行の格付け」というと、融資を受ける時に融資の可否を左右するものであるというイメージが強いと思います。

なので多くの経営者は自社がどのランクに属しているのかを気にしており、融資が受けられるかどうかの問題のみでとらえているのではないでしょうか。

果たして銀行の格付けとは融資の可否を決めるためだけに存在するのか?お伝えします。

銀行の格付けとは

そもそも銀行にとっての自己査定(俗にいう格付け)とは、銀行が保有する債権(融資)等を査定し、必要な引当金を計上していくことです。

以前、金融機関が数多く倒産したときに、日本の不良債権を把握しなければならないという必要性から時の首相、橋本龍太郎氏がアメリカの企業査定の方法を導入したものなのです。

債権を査定するということは、結局、融資先の企業内容を把握して、一般的によく目にする「債務者区分」と呼ばれるランク付けをしていくことです。

正常先に関しては、メガバンクは10~11段階、地方銀行、信用金庫・信用組合などは6段階となります。

その他、要注意先・要管理先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先があります。このランクに応じて引き当てる金額が決まっています。

この債務者区分によるランク付けが高い企業は、元利金の支払いが債務不履行となる可能性が低いことから、銀行側は利子を低く設定してくれます。

一方で、債務者区分のランクが低い企業に対しては、(今までの取引経緯や企業規模によりますが)基本的に融資は行わず、資金の回収行動へ移る可能性があります。

債務者区分別の引当金のルール 

例えば正常先であれば、3兆円の全債権に対して、その9割である2兆7,000億円のうちの0.1%~0.3%は不良債権として引当金を引き当てるというルールがあります。

これが要注意先になると一気に7~10%、破たん懸念先では、無担保融資の部分に対して70%以上引き当てなければなりません。

規模が大きい銀行は現在の株高を背景に、平成27年4月以降、不良債権の処理を加速して進めていくだろうと噂されています。

地方銀行も120行の8割は上場しているため、自己株式や所有している上場関係会社の株式が高くなっています。

そのため、利益が出た時に税金を納めるのはいいのだけれども、その分、不良債権処理を前倒しで行っておけば、若干景気が悪化しても、銀行自体の経営にはさほど影響しないようにすることができます。

以上のことを踏まえると、銀行格付けとは・・・

「中小企業にとってはお金を借りる道具であっても、銀行にとって本来の目的は不良債権を計算するためのモノ」

なのです。そのゴール、目的は自分たちの銀行が倒産しないようにするためなのです。

あくまでその過程の中で、内容の悪い企業には融資してはいけない、と国から注意喚起されているということです。

つまり融資をする、しないという見地で見ているわけではないのです。 

まとめ

銀行は自己査定という作業を通じて融資先の債権管理を行っているわけですが、この査定結果により融資企業への貸付方針を年1回(毎年6月末)変更しています。

このため、融資を受ける側としては、どのような方法によって自社が査定されているのか知っておくことが、銀行担当者と今後の資金繰りを議論する上でも必要な情報となります。

なお、この自己査定は各銀行がマニュアルを制定していますが、その基本となるものが金融庁の公表している「金融検査マニュアル」と呼ばれているものです。

これはウェブサイトの検索キーワードでも探すことができます。この中の「別冊中小企業編」にこの記事と同様にポイントが書いてありますので、こちらも併せて読んでみると非常に役立ちます。

最後にこの銀行格付けは、勘定科目を移動する程度では良くなることはありません。経営の根幹にいかに触れるか?という点が重要なのです。

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