
平成27年、1月1日に相続税の大改正が行われ、世間では相続をテーマにドラマが制作されるなど、相続の問題が大きく取り上げられています。
しかし、よく相続の問題というと、
「うちは税金かかるほど財産ないから関係ないのよね」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
果たして、本当にそうなのでしょうか?
目次
裁判所のデータでわかる!相続で注意すべき人とは?
では、税金がかかるほど財産がなければ、相続の問題はないのかと言うとそれは大きな間違いです。なぜなら、その答えは裁判所のデータを見ると明らかだからです。
ある方が亡くなったとします。その遺した財産の金額別に、裁判がどれくらい行われているのかという件数を出すと、次のようなデータがあります。
例えば、2011年には、5億円以上の財産を分けることで裁判が起こったケースは51件でした。これ、1年間の数字です。驚きなのが、実は1000万円以下の財産を分けるのに裁判を起こしたケースが一番多いということ。なんと5,895件。次いで5000万円以下が3584件という数字。
なので、ざっくり5000万円よりも少ない財産を分け合うことで裁判まで発展している、揉めてるケースというのが、なんと裁判全体の75%なんです。
税金がかからない=揉める可能性が高い!
実は、「相続争いなんていうのは、お金持ちの問題だ」、ドラマなんかでテレビでよくやってますけども、実は、そうでもないかもしれないと。
ちなみにこの2011年の税法でいくと、財産が5000万円以下というのは、相続税はかからないです。すなわち、「税金がかかるほど財産ないよ」という人ほど、裁判のケースは多いよということなんです。
だから、「税金がかからないから関係ないよ」ということは大きな間違いなのです。
あまり知られていませんが、相続の「相」という字は、手相の相とか人相の相と書きますけども、漢字の意味は「姿」という意味があるそうです。
相続=争族? 相続の本来の意味とは・・・
人の姿。これは、見た目の姿もそうですし、その人の存在とか、あり方という意味の姿という意味がある。相続というのはどういう時に起こるかと言うと、人が亡くなった時ですよね。
なので、その亡くなった人の存在を続けていく、受け継いでいくという、こういう意味合いです。と考えると、「相続」ってすごく、深い意味があるのです。
しかし最近では、相続の問題というのは、争う家族と書いて、「争族」問題と言われることもしばしばです。
この相続という文字の本来の意味はすごく貴いものです。しかし、「争族」・・・こんな当て字使われては本当に困ったものです。こうならないようにすることこそが、一番大切なのです。
まとめると、一般に「相続の問題ってなんですか?」と言うと、税金の問題だったりとか、分け方の問題と捉えがちです。
もちろん大事です。
税金の対策だったりとか、分割の問題をちゃんとしておくことは大事ですが、ほとんどの問題というのが、家族によって引き起こされる家族間の気持ちの問題だと。
ここが大きく発展すると、最後までこじれてしまいます。なので、そうならないようにしたいものです。