
あの時、M&Aという選択肢があることを知っていれば、救えていたのかもしれません。
今から3年前、私が駆け出しのころからとても可愛がってくれる社長がある日突然、脳こうそくで倒れました。その社長には子供がおらず、いわゆる後継者も不在でした。
目次
後継者がいないリスクとは!?
社長は一命を取り留めましたが、後遺症が残り、経営者として従事することは到底無理でした。
社長の奥さんも「経営者」として事業を行っていく自信もなく、30年という年月をかけて社長が心血注いで築き上げた会社はあえなく廃業・清算の道をたどりました。
無借金経営だったため、会社を清算する分には苦労はしませんでした。ただ、ひとつのことを除いては・・・
残された従業員はどうなるのか?
清算が決まったある日、20年間、「社長の右腕」として勤めてきた部長が奥さんにこんなことを言いました。
「俺にはまだ育ち盛りの子供がいるのに、この年になってどこの会社が拾ってくれるんだ!俺たちの生活をどうしてくれるんだ!」
この話を聞いたとき、私の心の中では、
「そのために退職金を支払っているんじゃないか!なんてことを言うんだ!むしろ、社長が破産せずに会社を清算できたことが何よりなのに!」
そんな気持ちでした。
しかしこの時、M&Aという選択肢があることを知っていればどうだったか?もしかしたら、社長の会社の従業員の生活を守ることが出来たのではないだろうか?
社長にとっては子ども同然のように育て上げた会社を廃業させることなく、経営の考えや想いを共感できる人に譲ることで、発展させていくことが出来たのではないのか?
このままでは日本の「ものつくり」は壊滅する!?
日本では現在、休廃業・解散をしている会社の数は年間25,000件超で、倒産件数の約3倍!資産が負債を上回っているにもかかわらず、事業の継続を断念しているのです。
そしてその結果、90万世帯の家族が路頭に迷ってしまっている状態なのです。
さらにこのまま放っておくと、日本のモノづくりはあと10年で壊滅するとまで言われています。
その大きな理由が『後継者不在による廃業』です。この流れに歯止めをかけられるものこそが、M&Aなのです。