
後継者がおらず、清算・廃業する場合はどうなのか?
清算・廃業するということは会社をやめるということではありません。
多くの経営者は自分の子供に会社を譲りたいと思っていますが、少子高齢化の中、なかなか後継者がいないことは社会問題になっています。
そんな中、残るのは借金です。
目次
会社の中身を厳しく見ると・・・
仮に会社を評価した際、プラスの財産とマイナスの財産を差し引いた資産が3,000万円あったとします。
では、この3,000万円はどうなると思いますか?
退職金?
確かにその通りですが、これは仕分け上の話です。
実は、会社を清算・廃業するときにはネックがあります。
例えば借金は、100%時価で、1円たりともまけてくれません。
しかし、資産は換金するときに手数料がかかるのをご存知でしょうか?
これはどういうことかというと、会社を清算・廃業する場合、決算書の中身は100%時価で洗い替えされるということなのです。
詳しく見ていきましょう。
決算書の中身を100%時価で見る、清算B/Sとは?
資産のうち、売掛金や在庫は比較的回収可能な資産ですね。
仮払金は費用性の資産のため、基本的に換金されません。(まずここで手数料が発生!)
次に株やゴルフ会員権はどうでしょうか?
これらもその時で違いますが、多くの場合マイナスであることが多いです。(手数料発生!)
土地や建物といった不動産は売れない!
そして最たるものが土地・建物といった固定資産。
これらは基本的に売却が難しく、さらに決算書上に記載されている評価と実勢価格が大きく違うことが非常に多いです。製造業で土地をバブルの時に購入されたのであれば尚更ですね。
また、仮に売れたとしても、次のようなことが起こることもあります。
土地が1億円、建物が3000万円の固定資産。
そんな中、土地を購入してもいいよと言ってきた人が現れました。ところが、土地の上に立っている建物(3000万)は取り壊して、更地にしてほしい。こんな要求をされたのです。
取り壊しにかかる費用は3000万円で建物の評価と同じです・・・これではお金が無くなってしまいます。
このような形で会社の資産を換金していったところ、仕分け上では3000万円のプラスの資産があったものが、結果としては借金が残ってしまい、清算・廃業すらできない!
こんな悲惨なケースもあり得るのです。
決算書の定期健康診断を受けることをお勧めします。
一度、多少厳しい見方かもしれませんが、あなたの会社の決算書を[清算B/S]100%時価に洗い替えした時にどうなるのか?ということは確認されていた方がいいと思います。
その時に奥さんやお子さんに借金が残る恐れがあるのなら、これは相続されてしまいます。
これが連帯保証債務です。
残された奥さんやご家族が家屋敷を取られずに済むように対策を採られておくことをお勧めいたします。