誤ると地獄!運転資金の正しい調達方法は?

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中小企業の特徴に過小資本とあるように、多くの中小企業は資金繰りを円滑に廻していくためには銀行融資に頼らざるを得ません。また借入の目的には運転資金と設備投資資金の2つしかなく、それぞれ目的に応じて借入方法が変わってきます。

中小企業の資金繰りを語るとき、銀行から運転資金をどのように借りるのか?ここが超重大ポイントとなります。要は資金繰りに悩む会社・資金繰りに悩まない会社の境界がここなのです。キーワードは「短期」と「長期」です。

銀行が教えてくれない資金繰り改善のヒントがここにあります。気になる方は続きをご覧ください。

目次

運転資金の調達は「長期」又は「短期」どちらが正解?

 答えは「短期」です。

理由は短期融資は利息の支払いだけで元金の返済がないから資金繰りを圧迫しません。逆に長期融資は元金と利息の支払いがあり、資金繰りを圧迫します。

しかもこの借入の方法は金融庁(国)が推奨しているものなのです。詳細はリンク先(ここをクリック)のPDF6ページ目をご覧ください。

しかしながら銀行は運転資金を短期融資ではなく、長期融資で対応している先がほとんどです。更に悪質なのが決算の内容が良いにもかかわらず保証協会付き・・・こんなケースも散見されます。

後述しますが、運転資金の借入方法を誤ると多重債務者へ陥ることにもなりますし、資金繰りを圧倒的に圧迫するようになります。

経営計画の策定や資金繰り表の作成をもって日々の資金繰りを改善するのはもちろんのことですが、実は資金繰り改善の第一歩は「銀行融資の適正化」から始まることがほとんどなのです。

短期借入と長期借入の違い

決算書は流動資産・固定資産・流動負債・固定負債・純資産の部の5つの国からなり、それぞれ決まりごとがあります。

それは「流動は流動」、「固定は固定」でお金を回すということです。ちなみに流動とは1年以内に現金化されるもので固定は1年以上現金化されないことを意味します。

運転資金とは仕入れて販売し、支払いを済ませたのちに売上代金を回収する、このサイクルの間に発生する立替資金を指し、そしてこのサイクルは数ヶ月で完了することが通常で、これを何回も繰り返すことで年間の売上を計上しているのです。

次に運転資金の算出式を見てみましょう

【売掛債権(売掛金・手形・在庫)― 買掛債権(買掛金・手形)= 経常運転資金】

これが運転資金の算出方法であり、これらのことからわかる通り、運転資金とは1年以内に完結されるお金の循環で、決算書で言う流動の国で完結されていることとなります。つまり融資形態で言うと1年以内に完結される短期融資で取り組むべき内容であるのです。

しかしながら多くの中小企業はこの決まりごとが守られていません。これは銀行の責任でもあるのです。これが原因で資金繰りが悪化している中小企業が実はほとんどです。

短期の借入・・・

元金の返済がなく、疑似資本のようなものです。廃業時や事業が急激に悪化した場合は返済の必要がありますが基本的には借りっぱなし。返済原資は「売掛金」です。

長期の借入・・・

利息+元金返済の返済が必要で返済原資は「税引き後利益+減価償却」となります。

金融庁(国)が適切な融資方法を示しているにもかかわらず、銀行は旧態依然のままで融資方針を変えようとしていません。

正しい金融知識を持てば、借入の返済額を削減し、資金繰りを圧倒的に改善させることが可能です。まずはご自身の会社の借入の状態を確認してみて下さい。

もし運転資金を長期で借りていて、さらにその借入本数が3本以上であれば、借入自体が資金繰りを圧迫している要因となります。御社がこの様な上程であれば、今すぐ融資の適正化を図ることをお勧めいたします。

いい条件で借りるなら銀行格付けの知識を持つべし!

銀行から借入を行うにも、言われるがまま借りるわけにはいきません。無担保で金利も安くしてもらえればそれに越したことはありません。そのために、銀行が預かった決算書をどのように査定しているのか?こちら側も把握することです。

融資の可否や条件は決算書の中身でほとんどが決まると言っても過言ではありません。ここでは具体的な格付けの中身には触れませんが、どのような指標を目安にしていればいいのかをお伝えします。

銀行は、「貸した金は必ず返せ」がモットーです。そんな銀行は、この会社の安全性はどうだろうか?そして返済能力はあるのだろうか?この2点を特に重視しています。

会社の安全性・返済能力を最も顕著に表している指標がつぎの3つです。

①自己資本比率(会社の安全性や体力を見る)

②債務償還年数(借入返済をキャッシュフローで何年で返せるかを見る)

③インタレスト・カバレッジレシオ(利息の支払い能力を見る)

概ね自己資本比率は30%以上、債務償還年数が7年以内、インタレスト・カバレッジレシオが3倍以上が望ましい数値となります。決算書の内容をこの状態にもっていくまでは、節税は我慢することです。

これだけあれば短期の運転資金は無担保で借りれるはずです。しかしながらこれだけの内容でありながら、保証協会付融資で対応されている・・・

もっと酷いのが、運転資金であるのに長期の借入でさらに保証協会付融資であること。これは最悪です。そういった方は今すぐ融資の見直しをお勧めします。

毎月の返済額の負担が大幅に軽くなることを御約束しますし、保証協会の保証料も返還されます。

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