売上が増えると会社のお金が減る理由とは!?

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売上は順調に伸びており、利益も確実に増えている。損益計算では大幅な黒字になっているにもかかわらず、一向にお金が手元に残らずむしろ資金繰りは苦しくなっている…

会社のお金はどこに行ってしまっているのか?という悩みをお持ちの社長が多くいらっしゃいます。しかし、ほとんどの会社の場合、これが当たり前なのです。

資金繰りの悩みを解決するためには「売上を増やすしかない!」このように思われている方は是非続きをご覧ください。売上を増やしても会社にお金が残ることはなく、資金繰りの悩みは解決しない理由が分かるはずです。

目次

なぜ会社にお金が残らないのか

増収増益でも「お金が不足する」という状況は、何も不景気の時にだけ多く発生するわけではありません。

実は景気が好調で、売り上げが拡大しているときにもよく見られるものなのです。なぜなら前回の記事、勘定合って銭足らずで申し上げた通り、今は信用経済の時代です。ほとんどの商売においてお金の動きを伴わない取引が行われています。

そうするといくら商品を売り上げたとしても、その時点では全くお金は入ってこない事になります。

その一方で仕入れた商品代金はもちろん、従業員への給料などはたとえ売上代金が回収されなくても必ず支払わなければなりません。そして、それらの支払いは、売上代金の回収があって初めて可能になります。

ところが、業績が順調であることに気を奪われてしまい、売上代金の回収のチェックをおろそかにしてしまうケースが多いのもまた事実です。幸い代金の回収自体に問題がないとしても、回収のタイミングが大きくずれてしまうようだと資金繰りに重大な影響を及ぼすことになります。

もちろん売り上げが増加するのはいいことですが、その回収をおろそかにしてしまうと文字通り、「勘定合って銭足らず」の状況に陥ってしまい、業績拡大で取引金額も多くなっているだけに、その影響も計り知れないという事になります。

事例で見る

例えば売上金額が20,000円、原価が10,000円のところ売上金額が2倍になったとします。

(損益計算)

売上    20,000円

売上原価 ▲10,000円

利益    10,000円

(損益計算)

売上    40,000円

売上原価 ▲20,000円

利益    20,000円

そうすると当然売上原価も2倍に増えることになりますから、売上金額は40,000円、売上原価は20,000円となり、不足するお金も2倍に増えて20,000円となります。ちなみにもし売り上げが3倍になれば、不足するお金も当然3倍の30,000円になります。

それでも、世の中全体が好景気であれば、お金も潤沢に出回り金融機関も融資に積極的になることから、すぐに資金繰りが悪化するという状況にはなりづらいでしょう。ところが、一旦景気が悪くなると、金融機関も一斉に融資を絞り込むため、一気に経済の血液であるお金がストップしてしまいます。

こうなると売り上げ拡大にのみ注力し、代金の回収は二の次としてきた会社はたまったものではありません。遅かれ早かれ資金ショートしてしまうのも当然といえます。

以上のように取引条件によっては売り上げが伸びれば伸びるほど、お金が不足することがお分かりいただけたかと思います。これまでの内容をまとめますと、

仕入れた商品が売れてお金を回収するまでにかかる時間が、仕入れ代金を支払うまでの時間よりも「長い」会社では売上が伸びれば伸びるほどお金が不足する。

逆に

仕入れた商品が売れてお金を回収するまでにかかる時間が、仕入れ代金を支払うまでの時間よりも「短い」場合は売上が伸びてもお金が不足するということはない。

ということになるのです。よほどのことがない限り後者のような立場になる企業はありません。

そしてこれらのことから、中小企業は運転資金を銀行から借入し、お金を廻していくのですが実はここにも落とし穴があるのです。この時、運転資金の借り方を誤ると資金繰りは改善され会社にお金が残るどころか、資金繰りは悪化し、会社にお金が残らなくなるのです。

この話はまた別の記事にてご紹介したいと思います。

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