銀行の選択とは!?

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これから先、銀行の選択は企業の継続性を高めるために重要です。自社の売上規模に応じた銀行を選ぶことはもちろん、金利で選択するのもどちらかというと反対です。

また現在付き合いのある銀行が合併・統合……こんなことが起きるとどんな飛び火があるかわかりません。できれば安全な銀行とお付き合いいただきたいものです。そこで銀行の安全性を見る際の物差し、そして正しい銀行の選択の見極め方についてをお伝えしていきます。

目次

自社の売上規模に合わせるのが最善です

銀行が減る、これからは、社長が銀行を選ぶべき、というお話をさせていただきました。

では実際にどういった銀行を選ぶべきなのでしょうか。

まず、一番大事なことは自社の規模に合った銀行を選ぶことです。

例えば、年商が30億円の企業を例に考えてみます。

メガバンクとお付き合いするのも、もちろん結構です。ですが、地銀でも充分です。地元の第一地銀、第二地銀。さらに旧政府系、それと割り引き専用で信用金庫を入れていくのがいいでしょう。

年商30億円くらいになると、メガ、メガ、メガとメガ3つに旧政府系、みそっかすみたいな扱いで地銀を入れるという社長さんも中にはいらっしゃいます。でも、最終的に守ってくれるのは地域金融機関、地銀です。

そのくらいの企業規模になると、メガが猛烈に営業をかけてきます。1つは入れてもいいでしょう。メガのいいところは、業績が良ければ無担保融資をスピーディーに出してくれるところです。でも、メガが2つも3つも入っていると、それぞれの立ち位置がおかしくなるんです。メガを入れるならばメガと地銀を並行メインにして、サブに信金。

後で詳しくお伝えしますが、いまはメインを一行だけにする時代ではありません。そこが引いたら、他も一斉にドン引きです。

50%を超えたら完全にメインです。よく相談を受けるのが1行に70%とか、1行からしか借入をしていない企業。そこが手を引けば、他行は絶対に応援してくれません。内容が良ければおこぼれくださいって来るけれど、内容が悪くなって融資を申し込みに行ったところで「うちメインじゃないんで」って断られるはずです。

A銀行さんの比率、60%くらいありましたよね。A銀行でやってもらってください」となります。1行の比率は30%以上にしてはいけません。30,30,20,20で4行とか。年商10億円くらいならそのくらいと付き合う感じがいいでしょう。

銀行を選ぶと同時に、銀行の布陣を考えてください。みんな金利で選びたがる。でもそれは得策とは言えません。詳しくは次項で説明します。

金利で選ぶのはほどほどに

売上が10億円を超すくらいになると、メガバンクが積極的にやって来ます。

繰り返しますが、1行入れるのはいいですが、決してメインにしてはいけません。並行かサブか。そこで金利合戦のステージに乗せればいいのです。

ただし、銀行員は何でもかんでも金利合戦をさせられると、いい加減にしろ!と思います。銀行によって仕入価格が違うわけですから。

例えばメガと地銀は基準の金利が0.5%くらい違います。地銀がメガと金利合戦をさせられては逆ざやになってしまうことがあるのです。信金はもっと調達金利が高い。

私がいた頃、地銀が1.875だったとき、メガは1.375、信金は2.25でした。これだけ違うのに信金とメガと競争なんて、とんでもないことなのです。

でも、都心の信金は逆ざやになってもそれをすることがあります。そういった場合は、量でもっていきます。そのかわり、内容の悪いところは4~5%でやって銀行内で帳尻を合わせることもあります。

銀行には銀行のやり方があるのです。東京、神奈川、愛知、埼玉その他政令指定都市以外は競争がなく、棲み分けができています。

いくらメガバンクが群馬県に出ていたとしても、群馬銀行を優先すべきなのです。私が群馬銀行出身だから言うわけではないですが。そこで金利合戦になったら最後、群馬銀行は手を引きます。  でも、いざというときバカを見るのは社長かもしれません。

地銀や信金の営業マンだって頑張っているのです。一生懸命限界利益で出そうとしている。金利だけで選んだら、いざというときに逃げられます

たまにはお付き合いと思って、金利だけで選ばないのもコツの一つです。メガはさーっと逃げます。投網を打つだけ打って、荒らすだけ荒らして逃げるのがメガバンクです。

これから10年の銀行の選択について

まず、銀行の内容の善し悪しは預貸率で見てください。

預貸率とは預金に対する貸出の割合です。いまから20年前、地銀の預貸率は80%と言われていました。それがどんどん下がって今は平均で68%と言われています。

お金が余っているわけですが、不良債権を出したくないから貸せないのです。それで国債やら投資信託やらの手数料でガッポリ利益を出している。預金と融資の利ざやで利益を出すのではなく、他のところで利益を出すための仕組みを作り始めています。

自己資本比率が10%を切るような銀行と付き合ってはいけません

国内基準は4%でいいことになっています。4%を切ると是正といって、人件費を削りなさいとか、国がお金貸してあげるから何とかしなさいとか、金融庁から口出しをされます。

国際基準(海外に支店がある銀行)で8%と言われていますが、今は国内店舗しかない信金でも平気で10%くらいあるものです。それと不良債権比率のチェックもお忘れなく

上場しているならば株価もしっかりチェックしてください。

例えば額面50円銀行なら10倍、500円がついていればいいでしょう。潰れるような金融機関は3倍以下、150円とか100円台前半とか。そうなると注意が必要です。100円台前半になってくると合併対象になってきます。

今現在もささやかれているメガバンクはあります。合併合併で大きくなったから、元A行と元B行、C行、D行とで、新卒採用と人事部が分かれていたり給与体系が違っていたりするようですね。 システム統合も難しかったりして内部混乱が収まらない……なんて話も聞きます。

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