定期預金が解約できないケースとは?

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定期預金の解約ができるのに解約が遅れてしまうと、銀行は銀行取引約定書や金銭消費貸借契約書を根拠に、解約を拒否してくる場合があります。

これを期限の利益の喪失といいます。

目次

期限の利益の喪失とは!?

銀行取引約定書や金銭消費貸借契約書には、期限の利益の喪失条項があります。

期限の利益とは、例えば3,000万円、60ヶ月返済、毎月50万円返済であれば、毎月50万円ずつ返済していれば、その融資は一括で返済しなくてよい、という企業側の利益です。

期限の利益が喪失されると、銀行は企業に、一括返済を要求してきます。そうすると定期預金は融資の一括返済に充てる手段の一つと見られるため、企業は定期預金の解約が出来なくなるのです。

期限の利益の喪失事由としては、次のことがあります。当然に喪失する場合と、銀行からの請求によって喪失する場合とがあります。

期限の利益が当然に喪失する事由

・企業が破産、民事再生、会社更生、特別精算開始、他、裁判所の関与する手続きを申し立てた。

・手形小切手が6ヶ月の間に2回不渡りになり銀行取引停止処分を受けた。

・弁護士等へ債務整理を委任した。

・自ら営業の廃止を表明した。

・企業またはその保証人の預金の仮差押え、差押えの命令、通知が発送された。

などです。

銀行からの請求によって期限の利益が喪失する事由

・企業が銀行に対して、融資の返済の一部でも遅れた。

・銀行に入れている担保について差押え、競売手続き開始があった。

・銀行取引約定書や金銭消費貸借契約書の約定内容に違反した。

・企業の財務状況、資産、経営、業況など、銀行への報告や書類に虚偽の内容があった。

・他、銀行が債権保全を必要とする相当の事由が生じたと客観的に認められる。

などです。

これらの事由により銀行が期限の利益を喪失すれば、定期預金は解約できなくなります。

特に、リスケジュール、つまり融資返済の減額・猶予の交渉開始後は、定期預金の解約が困難となります。そのため将来、こういったことが起きないとも限らないと考え、定期預金の解約は早めにやっておいた方がよいのです。

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