
今、事業性評価融資という言葉が注目されています。
「事業性評価融資」とは、決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して行う融資のことです。
これは銀行の格付けでいうところの「二次評価」にあたります。ではこの二次評価(事業性評価)は、どの程度融資の判断材料とされているのでしょうか?
目次
①実はあまり考慮されない二次評価
二次評価は11項目に分かれており、合計点数は71点です。
また、前回(銀行格付け完全ガイド①・②)でお伝えした一時評価と二次評価の合計点数(200点)で点数化し一旦、格付けを行います。
71/200点と二次評価は全体の30%の比率を持つため、金融庁はその分、二次評価を考慮するよう各銀行に伝えています。
また、二次評価の定性分析(一時評価は定量評価)とは、決算書の数字に直接出てこない部分を担当行員の主観で評価しています。
しかし、実はあまり銀行員が見ていない部分でもあるのです。金融庁が考慮しなさいと伝えているにも係らず・・・です。
ではなぜ、金融庁から考慮しなさいと言われているにも係らず銀行員が見ないのか?
それは、この二次評価と言われる定性分析に注力しても銀行は収益が上がらないからです。
また、銀行員はとても多忙です。そんな中、決算書に現れない部分を自身の目利きをもって融資の判断材料にしなさいと言われても、時間がなくてとてもじゃないが無理!
このような状態になってしまっているのが現状でしょう。
②経営計画を策定してもポイントは上がらない!?
二次評価のポイントを上げるために、経営計画の策定や経理体制の構築に取り組む風潮がありますが、二次評価の項目には経営管理体制の項目は該当しません。
経営上、経営計画の策定は必須なのですが、銀行の格付けに影響を与えるかと言われれば、実はそうでもないのです。(ゼロとは言いませんが・・・)
③二次評価の銀行規模別の加味割合
各銀行は二次評価を3割程度考慮するように金融庁から指示を受けています。
しかし、メガバンクや第一地方銀行の多くは定性評価の割合を0~10%程度でしか見ていません。逆に、第二地方銀行や信用金庫が20~30%程度を加味しています。
あなたがお付き合いしている銀行がどこに位置しているのか?これにより、二次評価の捉え方が変わることに注意してください。