
格付けの取り組みは6月末基準で7月にランク付けをしている銀行が多くあります。
直近の決算書から格付けの基準日が3か月を経過している融資先は、直近の試算表を預かりすべて実態に引き直す修正評価を行います。
そして勘定科目明細をチェックして不明点があれば担当行員がヒアリングし、支店がランク付けをしたものを本部が調整し最終ランクが確定します。
但し、銀行が自発的に融資先にランクを教えることはありません。それはなぜなのでしょうか。
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なぜ、融資先に格付けランクを教えないのか?
銀行自ら融資先に格付けランクを教えないのには明確な理由があります。
それは格付けランクの査定は基本的には年に1回しか行いません。
しかし企業は生き物です。
仮に直近の決算書の内容が良くても、売掛先が倒産してしまいその結果、多額の不良債権が発生する可能性があることが一つです。
つまり、何かの拍子に一気に内容が悪化する可能性があるために教えないということです。
また、商取引でのトラブルに巻き込まれてしまい、売掛金が回収できなくなり資金繰りに窮する可能性もあります。
格付けの結果は教えたくても教えられない!?
従って、いくら直近の決算書の内容が良くても格付けのランクと融資申し込み時点での試算表と資金繰り予定表を精査し、総合的な判断をしないと新規融資の取り扱いはできないのです。
融資先に格付けランクを教えてしまうと期待感を持たせてしまい、トラブルのもとになる可能性がでるので教えたくても教えられないのです。
銀行員から教えてもらえないのであれば、自身で自社の状態を把握できるようになることは対銀行交渉を行う上ではとても重要です。