
相続対策というと、あれやこれやと色んなことをやらないといけない!と思われている方がとても多いです。
しかし、相続対策は大きく分けて3つのことを行えば解決できるのです。この3つの対策とは、「争族対策」、「絶税対策」、「納税対策」です。
今回はそのうちの1つ「争う族対策」についてお伝えしたいと思います。
目次
船頭役を決める!
「絶対うちはもめないぞ!」と確信を持つために、できることはなんでしょうか。まずは、「相続税には申告期限があります」の記事でお伝えした、「財産の一覧表」これをまとめることから始まります。
それから次、2つ目が「話し合いのリーダーを決める」です。船頭役とも言いますでしょうか。例えばお子さん3人いたら、長男さんをリーダーに決めるとか、こういうことです。
これをやられるためにお勧めなのは、お盆やお正月など、家族みんなが集まる日に、じゃあもう全員がいる前で、「私に万が一があった時には、この財産一覧があるから」、と。
例えばリーダーが長男だったら、「長男を中心にこの一覧を引っ張り出して話し合うんだよ」、ということをみんなのいる前でお話ししてあげてください。
そうすると、実際相続に長男がこれを引っ張り出して、長男が話を取り仕切っても、他の兄弟は「お父さんがそうやって言ってたから」って頭があるので、素直に受け入れて進みますけれども。
リーダーの指名がなければ、仮に長男が取り仕切ったとしても、「何でお兄ちゃんが仕切ってるの?」という気持ちが出てくると、また揉めることに繋がりかねないのです。これだけやっておけば、円滑に話は進むと思います。
兄弟仲が悪い家族はどうしたらいい?
しかし、やはり家庭の事情はそれぞれです。必ずしも兄弟間の仲が良いとも限らないですし、例えばご商売をされて後継者である長男さんに財産を固めなければならないような事例もあると思います。
そういった時には、やはり遺言書が有効になってきます。
なので、必要に応じて対策は変わりますが、基本的なところでこの3つ、「財産一覧表の作成」「話し合いのリーダーを決めておく」「遺言書の作成」を押さえておくと、十分なところじゃないでしょうか。
あと私が個人的に思うのは、やはり何はおいても大事なのは、生前のお子様方とのコミュニケーションが非常に大事だということです。「相続」という話題を出すと、「まあ、お父さん、そんなまだ早いから」、と言ってくれると思いますが、堂々と語るようにしてください。
対策を行う上での留意点
「相続で揉める人は●●な人」の記事でお伝えしておりますが、相続の本来の意味は、いやらしいお金の話ではなく、「姿を継ぐ」という意味でしたね。
相続とはあなたの一族に関わる大事な人生の一角にあるイベントです。しっかり準備しておいた方が良いと思います。
とは言え、遺言書など遺す場合には特にですが、ちゃんと相続の専門家、特にこういった気持ちの面で、遺される家族の心情に配慮できる専門家に相談すると良いでしょう。
遺言書の注意点が必要なのは、法的な効力のある書類ですから。良かれと思って遺言を書いたものの、それがために争いが起こったというケースも沢山あります。
なので、きちんと家族の感情、心情を理解できる専門家の方に相談することが重要になってきます。