赤字でも、債務超過でも銀行が融資をしてくれる会社とは!?

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なぜかあの会社は赤字なのに銀行がお金を貸してくれる。。。

あなたの周りにもこのような会社が存在しませんか?一般的に2期連続で赤字を出すと銀行は新規の融資に前向きに取り組んでくれない・・・

はたまた、債務超過なら尚のこと!

それでも一方、そんな会社でも銀行が融資を実行している先があることをご存知でしょうか?

目次

なぜ、2期連続でも、債務超過でも融資が実行されるのか?

①銀行格付けの三次評価の3つの視点

実は銀行の格付けには決算書を見る一次評価。経営の中身を見る二次評価。そして企業の潜在返済能力を見る三次評価に分けられます。

この潜在返済能力は、3つの視点から評価します。

それが連帯保証人である代表者の「個人収支」・「資産余力」・「返済状況の実態」です。ここからランクアップを行うかどうかを再評価します。

状況によっては2ランクアップすることも可能です。その代わり、ランクアップする時にはそれ相応の経済的合理性など数字で判断しなければなりません。

一般的に銀行サイドに自身の資産や個人収支は隠しがちです。

しかし、こと銀行からの格付けという見地から見た時にはこれは逆です。銀行には、自身の資産背景や個人収支を伝えておく方が融資には有利に働くのです。

そのため、銀行員に分り易く伝えるためにも経営者の資産や収支状況などを伝えておくことが重要です。

また、経営管理体制、管理会計に基づき、未来経営に向かって経営計画を策定し、PDCAの見地から毎月の振り返りを行う。

そんな中でお客様の業績改善のお手伝いを行うと、必然的に格付けのランクは上がり、手元の現金も潤沢になります。

そして銀行の融資残高も減少し、3~5年後には銀行から借入を頼まれるような企業に変化していくはずです。

すべての融資先に三次評価を行っているわけではない

銀行は全ての先に三次評価を行っているわけではありません。

正常先の4以上のような財務内容が良好な会社については、返済状況の実態を確認する程度で個人収支や資産余力まで確認していません。

一次評価で要注意先程度にランクされている会社が概ね三次評価を行います。それは銀行も何とか不良債権の積み増しとしては扱いたくないからです。

なのでこのような先は細かく個人の収支や資産背景のチェックにかかります。具体的には正常先の6番目、要注意先、点数でいうと債務超過になっているような会社。

債務超過を解消できるか分からないが、先代の経営者が一生懸命経営をしてきて個人資産を多く所有している。

このような情報を銀行に提示するとランクが上がることがあります。

三次評価でいう個人収支とは

ここでいう個人収支とは、代表者の役員報酬と年間の家族の生活費を含めた収支のことを言います。

家族構成を確認し、生活実態を把握する。

そして会社の返済原資にどの程度回すことが出来るのかを計算します。

例)役員報酬2,000万円(手取1,200万/月手取100万)

社長・妻・子供2名(高校生・中学生)の4人家族で月の生活費は60万

手取年収1,200万―年間生活費720万=差引余力420万

※このケースでは、返済原資として営業利益と経常利益に加算して実質返済力を確認。

※役員報酬を過度に低くして営業利益と経常利益をプラスにしているケースでは、代表者の生活実態を確認して、生活していけないような状況であると、営業利益と経常利益から減産して実質返済力を確認する。

代表者の資産余力とは?

これは代表者の資産背景を言います。

具体的にいうと担保に入っている自宅やその他不動産・預貯金・国債・上場株式・投資信託・金・貯蓄性の高い生命保険の時価評価。

銀行はこれらを「資産余力」として確認しています。そしてこの資産余力を「返済財源」として見ている銀行も多数あるのです。

経営者は、これら資産を担保に取られないようにと、銀行に自己の財産を伝えません。

しかしむしろ、個人で資産を所有しているのであれば、それはむしろ銀行側に提示した方がプラスになる場合の方が多くあるのです。

それは、決算書の内容が悪くても、経営者が資産を持っていればいざという時は資産を返済財源とできると見てもらえるからです。

すなわち、決算の内容が悪く、通常であれば追加の融資が難しいような先でも、経営者個人が資産を持ち、それらを銀行に伝えておけば融資が実行される可能性が高まるということです。

三次評価の最後のポイント・返済状況の実態とは?

返済状況の実態について、銀行は融資をしている全先を確認します。

どんなに財務状況が良好な会社でも、既存融資の返済遅延があった場合はランクダウンをするように金融庁から言明されています。

下の「債務者区分の融資方針」の資料をご覧ください。

債務者区分 債務者の状況
正常先 A 業績良好。財務内容も問題ない。
要注意先 B 業績低調。遅延など今後の管理に注意を要する。
要管理先 B’ 要注意先のうち要管理債権がある。
破綻懸念先 C 現在は経営破綻の状況にないが、今後破綻が懸念される。
実質破綻先 D 法的・形式的な経営破綻の事実はないが、実質的には単に陥っている。
破綻先 E 法的・形式的な経営破綻の事実が発生している。

実はどんなに業績が良くても、自己査定をチェックするときに月を超えた延滞があると「B」、すなわち債務者区分でいうと「要注意先」としてランクを下げられる可能性があるので注意してください。

銀行は返済状況の実態だけは内容のいかんに係らず必ずチェックしています。

三次評価では経営者の「役員報酬」と「資産背景」がポイントです。どんなに決算の内容が悪くても、生活実態と役員報酬を確認し、返済原資にできないか?

はたまた、経営者の資産背景に不動産や預貯金、貯蓄性の高い生命保険や金といった返済財源の高い資産があるのか?

銀行はこれらを総合的に見て融資の可否や最終的なランク付けを行っているのです。

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